車のバックドア(リアゲート)の凹み修理|トランクのへこみも塗装せず直せるか、費用と判断基準
荷物を積むときに角をぶつけた、自転車を降ろすときに当てた、開けた勢いで柱に当たった——車の後ろのドアの凹みは、たいてい自分でやってしまった心当たりがあります。ぶつけた瞬間の音まで覚えている、というご相談が多い場所です。
当店は塗装をしないで凹みを直すデントリペア(PDR)の専門店です。バックドア(リアゲート)とトランクは、塗装が無事であれば直せることが多い部位です。天井(ルーフ)のように内張りを下ろすのが大仕事になる場所と違って、バックドアの内張りは普通の車ならわりと簡単に外れます。裏に工具を入れやすいぶん、作業の条件としては素直な部位です。
ただし、バックドアにはこの部位だけの「最初に確認すること」があります。材質です。近年はバックドアが樹脂(プラスチック)でできている車があり、そこはデントリペアでは直せません。この記事では、直せる凹み・直せない凹みの線引きを、現場の判断のまま書きます。
写真1枚と車種をお送りください。材質と凹みの状態から、直せるかどうかとおおよその料金幅を無料でお返事します。
この記事の結論(先に要点だけ)
- バックドア(リアゲート)・トランクの凹みは、鉄板で、塗装が割れていなければ塗装をしないデントリペア(PDR)で直せます。当店は〜1cmの凹みで11,000円(税込・出張費込)からのサイズ別料金です(内張りを外す作業が必要な場合は、その分を別にお見積りします)。
- この部位で最初に確認するのは材質です。樹脂(プラスチック)製のバックドアは対応できません。また、凹みでドアが閉まらない・建て付けが狂っている場合は交換で、デントリペアの範囲外です。
- バックドアの内張りは普通の車ならわりと簡単に外れるため、裏から工具を入れやすい部位です。センサーやバックカメラが付いていても、デントリペアでは支障になりません。
先に結論|バックドアは「裏に手が届きやすい」部位です
デントリペアは、専用の工具を凹みの裏側に入れて金属を少しずつ押し戻していく修理方法です。塗装をしないので、メーカー純正の塗装がそのまま残ります(PDRとは)。
この作業でいちばん問われるのは、凹みの裏側に手が届くかどうかです。ここが部位によって大きく違います。
たとえば車の屋根(ルーフ)は、裏にあるのが天井の内張り(ルーフライニング)です。これを下ろすのは大仕事で、車種によっては出張先で一人ではできません。だからルーフの凹みは「直せます」と一言で答えられず、内張りを下ろす必要があるかどうかから話が始まります。
バックドアは事情が違います。バックドアの内張りは、普通の車であればわりと簡単に外れます。外してしまえば裏に手が届くので、そこから押して直せます。軽い凹みであれば、内張りを外さずに表側から専用のタブを接着して引き上げるプーリングという方法で対応することもあります(裏から押せない場所の対応について)。
つまりバックドアは、作業の条件としては素直な部位です。その代わり、この部位ならではの確認事項が別にあります。次の章から順に書きます。
バックドアが凹む原因|実際にご相談が多いのはこの3つ
ネット上には原因がいろいろ挙がっていますが、当店に実際に来るご相談はだいたい3つに集まります。
1. 荷物の積み下ろしで、物を当てる
いちばん多い原因です。荷室に物を入れるとき、出すときに、荷物の角がバックドアの内側や下側に当たる。工具箱、キャンプ道具、ゴルフバッグ、園芸用品、脚立。重い物を持ち替えるタイミングでコツンといく、というのが典型です。
この原因の凹みは、角が当たった一点だけが入り込んだ形になりやすく、塗装が無事なまま残っていることがよくあります。塗装が割れていなければ、デントリペアの得意な範囲です。
2. 自転車を積むとき・降ろすとき
自転車は形が複雑で重心が動くので、持ち上げた瞬間にペダルやハンドル、リアのギアの出っ張りがバックドアに当たります。積み下ろしの中でも、自転車は特に相談が多い荷物です。
自転車の場合は、金属の硬い部分が当たるので凹みが深くなりやすく、擦り傷を伴うこともあります。傷が塗装の下まで達しているかどうかで、直し方が変わります。
3. 開けたときに、柱や壁にぶつける
これはバックドアならではの原因です。跳ね上げ式のバックドアは上に大きく開くので、駐車場の柱、シャッター、天井の低いガレージ、立体駐車場の梁に、開けた勢いで当たります。サイドドアの何倍も動く部品なので、周りにぶつける機会がそもそも多いのです。
この当たり方は、バックドアの上端やその近くに凹みが出るのが特徴です。開けた状態でぶつかっているので、ご本人も気づきやすい原因です。
なお雹(ひょう)が降ったあとにバックドアが凹んでいた、というご相談もあります。雹の場合は一枚のパネルに複数の凹みが入るので、直し方の考え方が変わります。そちらは雹害の部位別修理ガイドにまとめています。
直せる凹み・直せない凹み|バックドアで最初に見るのは「材質」です
ここがこの記事の本題です。バックドアの凹みは、次の順番で判断しています。
① 樹脂(プラスチック)のバックドアは対応できません
これがバックドア特有の、いちばん大きな線引きです。
車のパネルは鉄板でできているのが基本ですが、バックドアだけ樹脂(プラスチック)でできている車があります。軽量化のために採用されていて、軽自動車を中心に見かけます。ダイハツ系の車種などが該当します。
デントリペアは、金属が持っている「元の形に戻ろうとする性質」を利用して、裏から押したり表から引いたりして形を整える技術です。樹脂にはその性質がないので、同じやり方が通用しません。当店では樹脂製のバックドアはお受けしていません。
この判断は、車種が分かればほぼその場でつきます。だからバックドアのご相談では、写真と一緒に車種(できれば年式とグレード)をお送りいただけると、返事が早くなります。樹脂だった場合は、その時点で正直にお伝えします。無理に作業してお金をいただくことはしません。
② 塗装が割れている・剥がれている凹み
これはバックドアに限らず、デントリペア全体の線引きです。デントリペアは塗装をしない修理なので、すでに塗装が割れていたり剥がれていたりする凹みは、直しても塗装が元に戻りません。形だけ整えても傷が残ります。
この場合は板金塗装が本来の直し方になります。当店は板金塗装店とも仕事をしていますので、状況によってはお繋ぎできることもあります(デントリペアと板金塗装の違い)。
③ 年式の古い車は、塗装と内張りの状態を見てから
古い車には、確認することが2つあります。
1つ目は塗装です。割れてはいないけれど、年式が古くてクリアが浮いている、色があせている、以前の塗装が弱っている——こうした車は、デントリペアにあまり向きません。押したり引いたりする作業の途中で、弱った塗装が剥がれたり割れたりすることがあるためです。
2つ目は内張りそのものです。ここは正直に書いておきます。年式の古い車は、内張りを留めているクリップやピンの樹脂が劣化していて、外すときに割れてしまうことがあります。バックドアの内張りは普通の車ならわりと簡単に外れる、と前に書きましたが、それは樹脂が生きている場合の話です。
割れた留め具は部品を取り寄せて交換することになるので、その分の部品代と、取り寄せの時間がかかることがあります。作業前に必ずこの可能性をお伝えして、了解をいただいてから進めます。黙って外して、壊してから報告するということはしません。
屋外に長く置いていた車、年式が経っている車は、この2点を現車で確認してから判断します。「直せません」と決めつけるのではなく、見てから正直にお伝えするという扱いです。
④ 凹みでドアが閉まらない・建て付けが狂っているものは交換です
これもバックドア特有です。バックドアはヒンジで吊られていて、ラッチで車体側に噛み合って閉まる、可動する部品です。凹みが大きくてドアそのものが歪んでしまい、閉まらない・段差が出ている・きちんと噛み合わない状態になっていると、デントリペアの範囲を超えます。
この状態は、パネルの表面を整えれば済む話ではなく、ドア全体の形が変わってしまっています。交換になります。そう判断した場合は、その旨をはっきりお伝えします。
⑤ それ以外=鉄板で塗装が無事なら、たいてい直せます
①〜④に当てはまらなければ、バックドア・トランクの凹みはデントリペアの対象です。裏に手が届きやすい部位なので、大きさがある凹みでも対応できることが多いです。
ただし、デントリペアは「必ず完全に元通り」になる技術ではありません。凹みが深い場合、傷を伴う場合、押し出す過程で塗装が剥がれるリスクや、わずかな歪み(うねり)が残る可能性があります。当店では作業前にこの点を必ずお伝えしてから始めます。後の章で、実際に跡が残った事例の写真もお見せします(デントリペアの失敗例)。
「センサーやカメラがあるから難しい」は、デントリペアには当てはまりません
バックドアの修理について調べると、「バックドアには後方センサーやバックカメラが付いているので、サイドドアより作業が複雑になる」という説明をよく見かけます。
これは板金塗装や、パネルの交換を前提にした話です。塗装をするなら部品を外して塗装ブースに入れる必要がありますし、交換するなら付いている装備をすべて移し替えることになります。センサーの脱着や調整が入るぶん、工程が増えて費用も上がります。
一方、デントリペアは塗装もしなければ部品も外しません。凹んでいる場所に工具を届かせて形を戻すだけなので、バックカメラやセンサーが付いていることが作業の支障になることは、実際のところありません。
作業のうえで気をつけるのは配線くらいです。バックドアの内張りの裏には、リアワイパー、カメラ、ロック、ワイヤーハーネスなどが通っています。内張りを外すときと戻すときに、これらを傷めないように扱う——それだけです。
つまり、「センサー付きだから高くつく」というのは、板金・交換の話であってデントリペアの話ではありません。装備が多い車ほど、塗装しない修理の身軽さが効いてくる、という言い方もできます。
施工事例|ホンダN-VAN リアゲート上部・左角の凹み
実際の作業をお見せします。ホンダN-VANのリアゲート(バックドア)上部・左角の凹みです。愛知県内のご依頼先へ出張して施工しました。

角にできた凹みで、傷も伴う、しっかりとした凹みでした。このケースは裏側から工具が入らない位置だったため、表面から引き出すプーリングで慎重に整えています。「裏から押せない=直せない」ではない、という一例です。

凹みは大きく改善しましたが、もともとの損傷が酷く傷も深かったため、傷跡が残り、完璧な復元には至っていません。これが実際の仕上がりです。
都合のいい写真だけを載せることもできますが、それでは判断の材料になりません。どこまで戻せて、何が残るのかを先にお伝えしたうえで作業に入る、というのが当店のやり方です。この事例の詳しい経過はホンダN-VAN リアゲートの凹み修理事例にあります。ほかの部位の事例は車の凹み修理 施工事例にまとめています。
セダンのトランクも、ハッチのバックドアも、考え方は同じです
「うちはセダンでトランクなんですが、跳ね上げ式のバックドアとは違いますか」と聞かれることがあります。
結論として、作業のうえで特別に気にしている違いはありません。セダンのトランクリッドも、ハッチバックやミニバンのバックドアも、鉄板でできていて、内張りを外せば裏に手が届く、という点は共通しています。凹みの大きさ・深さ・位置・塗装の状態で判断するのも同じです。
検索するときに「トランクの凹み」「バックドアの凹み」「リアゲートの凹み」「テールゲートの凹み」と呼び方が分かれますが、いずれも同じご相談として承っています。呼び方が合っているか気にせず、写真をお送りください。
自分で直せますか|熱湯・吸盤・修理キットの限界
バックドアの凹みは「熱湯をかけて裏から押す」「吸盤で引っ張る」といったDIYの方法がよく紹介されています。ご自身でやってみたい方のために、正直なところを書きます。
うまくいくことがあるのは、ごく浅くて広い、塗装が完全に無事な凹みだけです。樹脂バンパーのような素材が戻りやすい部位で成功例が多く、鉄板のバックドアで同じようにいくとは限りません。
実際に相談として持ち込まれるのは、次のようなケースです。
熱湯をかけたことで塗装に負担がかかった。吸盤で強く引いたら凹みの周りが波打ってしまい、元より目立つようになった。市販のグルーガンのタブを接着して引いたところ、剥がすときに塗装が持っていかれた。いずれも、直そうとした結果が板金塗装案件になってしまった状態です。
ここで他人のやり方を否定したいわけではありません。ただ、DIYで悪化した凹みは、最初の状態より直しにくくなります。鉄板が伸びてしまうと、デントリペアでも戻しきれません。判断に迷ったら、手を付ける前に写真を送っていただくほうが結果的に早いです。詳しくは車のへこみ、自分で直せる?に書いています。
直し方の比較|デントリペア・板金塗装・交換・DIY
バックドアの凹みには、直し方が4つあります。凹みの状態によって選べる方法が決まるので、まず自分の凹みがどれに当てはまるかを見てください。
| 直し方 | 向いている凹み | 塗装 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| デントリペア | 鉄板で、塗装が割れていない凹み | 純正のまま | 当日 |
| 板金塗装 | 塗装が割れている・鉄板が伸びている凹み | 塗り直し | 数日〜1週間 |
| バックドア交換 | 閉まらない・建て付けが狂っている、樹脂で割れている | 塗り直し | 部品の入荷次第 |
| DIY | ごく浅く広い、塗装が完全に無事な凹み | — | その場 |
この表で迷いやすいのが、いちばん上と2番目の境目です。判断の分かれ目は「塗装が割れているかどうか」で、凹みの大きさではありません。大きくても塗装が無事ならデントリペアの対象になりますし、小さくても塗装まで割れていれば板金塗装です。
爪を立てて引っかかる傷があるなら、塗装の層を越えている可能性が高いです。判断がつかない場合は、その部分を写真に撮ってお送りください。
バックドアの凹み修理にかかる費用
当店のデントリペアは、凹みのサイズ別の基本料金です。すべて税込・出張費込です。
| 凹みのサイズ | 料金(税込・出張費込) |
|---|---|
| 〜1cm | 11,000円 |
| 〜2cm | 13,000円 |
| 〜3cm | 18,000円 |
| 〜5cm | 22,000円 |
| 〜7cm | 24,000円 |
この基本料金に、内張りを外す作業は含まれていません。バックドアの凹みは内張りを外して裏から作業することがほとんどなので、その分は個別にお見積りしてお伝えします。上の表の金額に脱着分は含まれていない、とお考えください。
脱着にかかる手間は車種によって差があります。ルーフの天井内張り(ルーフライニング)を下ろすような大がかりな作業とは別物で、普通の車であればわりと簡単に外れます。一方、内張りの構造が入り組んでいる車種や、年式が古くて留め具の樹脂が劣化している車は、外すのに手間がかかったり、留め具の交換が必要になったりします。だからこそ一律の金額にせず、車を見てから個別にお出しする形にしています。
金額は必ず作業前にお示しします。納得いただいてから作業に入りますので、あとから増えることはありません。
7cmを超えるもの、複数箇所、深い傷を伴う凹みは個別のお見積もりです。また、プレスライン上の凹み・線状の凹み(クリース)・アルミパネルなどは、難易度により加算があります。加算がある場合は、事前のお見積りで金額をお示ししてから作業に入ります。あとから増えることはありません。
塗装が必要な状態であれば、板金塗装で1パネルあたり約45,000円〜が目安になります。バックドアを交換する場合は、部品代と塗装代が別にかかるため、さらに上がります。デントリペアで直せる凹みかどうかで、金額の桁が変わるのはこのためです。
サイズ別の料金の考え方はデントリペアの料金表と相場に、パネルごとの目安は車の凹み修理の値段にまとめています。
写真と車種をお送りいただければ、材質の判断も含めて、修理できるかどうかとおおよその料金幅を無料でお返事します。
当日の流れと所要時間
当店は出張専門です。ご自宅や職場の駐車場に伺って、その場で作業します。車を預けていただく必要も、代車の手配も要りません。
流れはこうなります。まずLINEなどで写真と車種をいただいて、直せそうかどうかとおおよその料金幅をお返事します。ここまでは無料です。そのうえで日時と場所を決めて伺い、現車を見てから正式な金額をお伝えします。ここで「思っていたのと違う」となれば、作業せずに引き上げます。その場合も費用はいただきません。
作業時間は凹みひとつで30分から1時間半ほどが目安です。バックドアは内張りを外す手間が入るぶん、同じ大きさの凹みでもドアより少し時間がかかります。複数箇所ある場合や、深さがある凹みはもう少し見ていただきます。
屋外での作業になるので、映り込みを見ながら形を整えられる明るさが必要です。雨天や夜間は、屋根付きの場所が確保できるかどうかで判断させてください。
写真の撮り方|バックドアは「映り込み」が写っていれば分かります
凹みは、正面から普通に撮ると写りません。写すべきは凹みそのものではなく、パネルに映り込んでいる景色の歪みです。
コツは3つです。
1つ目は斜めから撮ること。バックドアの真後ろに立たず、斜め後ろに回って、パネルの面を横滑りに見る角度から撮ってください。凹んだところだけ映り込みが折れて見えます。
2つ目は明るい直線が映る場所で撮ること。屋外なら建物の輪郭や電線、屋内なら蛍光灯の帯が映り込むと、その線の乱れで凹みの範囲がはっきり出ます。
3つ目は引きと寄りの2枚を撮ること。バックドア全体が入った1枚と、凹みに寄った1枚があると、位置と大きさの両方が分かります。大きさが伝わりにくい場合は、横に指や硬貨を添えて撮ってください。
あわせて車種(できれば年式・グレード)をお知らせください。バックドアが鉄板か樹脂かは、車種が分かればその場で判断できます。
どこに頼めばいい?|依頼先ごとの向き不向き
バックドアの凹みを直せる先はいくつかあります。どれが正解というより、凹みの状態によって向く先が変わります。
ディーラー
新車保証や他の整備とまとめてお願いしたい場合、窓口が一つで済む安心感があります。実際の作業は提携する板金工場に出されることが多く、そのぶん日数と費用は上がりやすくなります。デントリペアで直せる凹みでも、板金塗装として案内されることがあります。
板金塗装店
塗装が割れている凹み、鉄板が伸びてしまっている凹み、バックドアの交換が必要な状態であれば、板金塗装店が本来の依頼先です。塗ってしまえば形は元に戻ります。数日から1週間ほど車を預けることになり、代車の手配が必要になります。
カー用品店
店舗数が多く相談しやすい反面、こちらも作業は外部に出されるのが一般的です。凹みの内容によっては受け付けていない場合があります。
デントリペア専門店
鉄板で、塗装が割れていない凹みであれば、専門店が向いています。塗装をしないので当日中に終わることが多く、純正の塗装がそのまま残ります。パネルを交換しないので修復歴もつきません。当店は出張専門なので、ご自宅や職場の駐車場で作業します。車を預ける必要も、代車の手配も要りません。
逆に言えば、樹脂のバックドア、塗装が割れている凹み、閉まらなくなったバックドアは専門店では直せません。その場合は正直にそうお伝えします。
バックドアの凹みを放置するとどうなるか
結論から書くと、塗装が無事であれば、急いで直さなければならないというものではありません。ここで不安を煽るつもりはありません。
実際に影響が出るのは、次のような場面です。
1つ目は売却・下取りのときです。バックドアは車の後ろから見て真正面にあたる面なので、凹みがあると目に入ります。手放す予定があるなら、査定の前に直しておいたほうが差が出ます。
2つ目は塗装が割れている場合です。塗装の下まで達した傷をそのままにしておくと、そこから錆が出ることがあります。この状態はデントリペアの範囲外なので、板金塗装での対応をおすすめします。
3つ目は費用です。デントリペアはサイズ別の料金なので、凹みが小さいうちのほうが早く終わります。「この程度で頼んでいいのか」と迷うくらいの凹みが、いちばん向いている状態です。
バックドア・トランクの凹み修理 よくある質問
バックドアの凹みは塗装せずに直せますか
鉄板のバックドアで、塗装が割れていなければ直せます。バックドアは内張りを外せば裏に工具を入れやすい部位なので、条件としては素直なほうです。ただし樹脂(プラスチック)製のバックドアは対応できません。
自分の車のバックドアが樹脂かどうか、どうすれば分かりますか
車種と年式・グレードが分かれば、こちらで判断できます。LINEで写真と一緒に車種をお送りください。樹脂だった場合はその時点で正直にお伝えします。なお、ご自身で磁石などを当てて確かめる方法もありますが、塗装を傷めるおそれがあるのであまりおすすめしていません。
バックカメラやセンサーが付いていても大丈夫ですか
問題ありません。デントリペアは塗装も部品交換もしないため、装備の脱着や調整が発生しません。内張りを外し戻しする際に、その裏を通っている配線を傷めないよう扱う——気をつけるのはその程度です。
凹んでバックドアが閉まらなくなりました。直せますか
その状態はデントリペアでは直せません。閉まらない・段差が出ている・きちんと噛み合わないという場合は、パネルの表面ではなくドア全体の形が変わっています。交換での対応になりますので、板金塗装店やディーラーへご相談ください。
セダンのトランクの凹みも対応できますか
対応できます。セダンのトランクリッドも、ハッチバックやミニバンのバックドアも、判断の仕方は同じです。呼び方が「トランク」「リアゲート」「テールゲート」と分かれますが、いずれも同じご相談として承っています。
バックドアの凹み修理はいくらくらいかかりますか
当店のデントリペアはサイズ別の基本料金で、〜1cm 11,000円、〜2cm 13,000円、〜3cm 18,000円、〜5cm 22,000円、〜7cm 24,000円(いずれも税込・出張費込)です。この金額に内張りを外す作業は含まれておらず、その分は個別にお見積りします。7cm超・複数箇所・深い傷を伴う凹みは個別のお見積もりです。プレスライン上・線状の凹み・アルミパネルは難易度により加算があり、事前のお見積りで金額をお示しします。塗装が必要な状態であれば板金塗装で1パネル約45,000円〜が目安です。
直したあと、跡は残りませんか
凹みの深さ・位置・傷の状態によります。デントリペアは必ず完全に元通りになる技術ではなく、押し出す過程で塗装が剥がれるリスクや、わずかな歪みが残る可能性があります。当店では作業前にその可能性をお伝えしたうえで始めます。この記事の施工事例でも、傷跡が残った実際の仕上がりをお見せしています。
年式の古い車でも直せますか
直せることもありますが、現車を見てからの判断になります。古い車は塗装が弱っていて作業中に剥がれることがあり、また内張りを留めているクリップやピンの樹脂が劣化していて、外すときに割れることがあります。割れた場合は部品の交換が必要になり、部品代と取り寄せの時間がかかります。この可能性は作業前に必ずお伝えしたうえで、進めるかどうかを決めていただきます。
保険は使えますか
ご契約内容によっては車両保険の対象になることがあります。ただし使えるかどうか、等級がどうなるかは保険会社の判断になりますので、必ずご契約先にご確認ください。当店から保険会社への修理内容のご説明は可能です。
社用車・リース車・新車のバックドア
バックドアの凹みは、荷物を積む車ほど起きます。仕事で使っている商用バンや社用車は、毎日の積み下ろしで当たる回数がそもそも多く、気づいたら何箇所か凹んでいた、というご相談になりがちです。
この場合、塗装をしないデントリペアは相性がいい直し方です。車を預ける必要がないので、稼働を止めずに済みます。複数台をまとめて、駐車場で順番に作業することもできます。法人のお客様のご依頼も承っています。
リース車の場合は、返却時の原状回復が関わってきます。契約によっては凹みが精算の対象になるため、返却前に直しておくかどうかの判断が必要です。塗装をしない修理であればパネルを交換しないので、修復歴にもなりません。
新車のバックドアを早々に凹ませてしまった、というご相談もよくあります。新車のうちは塗装が健全なので、デントリペアがいちばん通りやすい状態です。メーカー純正の塗装を残したまま直せます。
まとめ
バックドア(リアゲート)・トランクの凹みは、荷物の積み下ろし、自転車、開けたときに柱にぶつける——この3つが実際に多い原因です。鉄板で、塗装が割れていなければ、塗装をしないデントリペアで直せます。内張りが外しやすい部位なので、裏に手が届きやすいという利点もあります。
この部位で先に確認するのは材質です。樹脂製のバックドアは対応できません。もう一つの線引きはドアが閉まるかどうかで、閉まらない・建て付けが狂っている場合は交換になります。
「センサーやカメラがあるから複雑」という説明は、板金塗装や交換を前提にした話です。デントリペアでは支障になりません。
年式の古い車は、塗装の状態に加えて、内張りの留め具の樹脂が劣化していないかも見てから判断します。割れる可能性があるときは、作業前にお伝えします。
料金はサイズ別の基本料金に、内張りを外す作業の分を個別にお見積りして加える形です。金額は必ず作業前にお示しします。
判断を早くするために、写真と車種をあわせてお送りください。材質の判断も含めて、修理できるかどうかとおおよその料金幅を無料でお返事します。当店では難しいと判断した場合も、その理由をはっきりお伝えします。
