ドアパンチの白い傷は消える?爪がかかるかで分かれる直し方と凹みの見分け方
駐車場に戻ったら、ドアに白い線のような傷。ぶつけた覚えはないのに、そこだけ白く浮いて見える。ドアパンチでいちばん多いご相談がこれです。
先に結論を書きます。その白い傷が消えるかどうかは、爪が引っかかるかどうかでほとんど決まります。引っかからなければ磨きで目立たなくできることが多く、引っかかれば磨いても消えません。そしてもう一つ、白い傷ばかり見ていると見落としがちなのが、その下に浅い凹みが隠れていないかです。ドアパンチでいちばん多いのは、実は「白い傷+浅い凹み」の組み合わせです。
当店は塗装をしないで凹みを直すデントリペア(PDR)の専門店で、磨き(ポリッシング)も出張で施工しています。写真を1枚お送りいただければ、直せるかどうかと、おおよその料金幅をお返事します。正式なお見積りは現車を見てからです。
傷を触る前の状態で見せていただくのが、いちばん確実です。
その白い傷の正体|相手の塗料が付いているだけのことがあります
ドアパンチでできる白い傷は、大きく2種類あります。見た目はよく似ていますが、直し方はまったく違います。
1つめは、相手の車の塗料やゴムモールが移っただけの状態です。隣の車のドアの角が当たったとき、相手側の塗装やドアエッジのゴムがこすれて、お車の表面に付着します。お車の塗装は削れていません。白い線に見えても、実際にはお車のものではない色が乗っているだけ、という状態です。
2つめは、お車の塗装のいちばん上のクリア層に、細かい擦り傷が入った状態です。クリア層に無数の細かい傷が入ると、そこで光が乱反射して白く見えます。白い塗料が付いているわけではなく、傷そのものが白く見えている状態です。
1つめなら拭き取りや軽い磨きで消えます。2つめは、傷の深さ次第で消えたり消えなかったりします。この見分けが、次の章の3つの確認です。
30秒でできる3つの確認|水・爪・光
お車の前で、道具なしでできます。順番にやってみてください。
① 濡れた布で軽く拭く
まず、濡らした柔らかい布で白い線を軽く拭いてみてください。これで白い線が消えれば、相手の塗料やゴムが付いていただけです。お車の塗装は無事なので、この時点で修理の話は終わります。
力を入れてこすらないでください。砂やホコリを噛んだまま強くこすると、そこで新しい傷を作ってしまいます。あくまで「軽く」です。
② 爪を立てて、傷を横切るように滑らせる
ここがいちばん大事な確認です。白い線に対して直角になるように爪を当てて、そっと滑らせてください。
爪が引っかからなければ、傷はクリア層の浅いところで止まっています。磨きで目立たなくできる可能性が高い状態です。
爪が「コツン」と引っかかれば、傷はクリア層を越えています。この場合、磨いても消えません。磨きはクリア層の表面をごく薄く均していく作業なので、クリア層を越えてしまった傷は、削り落とそうとすると塗装そのものが薄くなってしまいます。ここは正直にお伝えしています。爪がかかる傷は、磨きの範囲外です。
③ 斜めから光を当てて、映り込みを見る
白い傷だけに気を取られると、これを見落とします。傷のある面に対して、斜めの角度から蛍光灯や街灯、空の明るさを映り込ませてください。そのまま少しずつ角度を変えていきます。
映り込んだ線や輪郭が、傷のあたりで波打ったり、折れたり、伸び縮みして見えたら、そこには凹みがあります。指でなぞっても分からない程度の浅い凹みでも、映り込みは正直に歪みます。
ドアパンチでいちばん多いのは、この「白い傷+浅い凹み」です。白い傷だけを磨いて消しても、凹みは残ります。えくぼのような小さい凹みは、直射日光の下だと意外と見えません。屋根の下や夕方など、光が柔らかいときのほうが分かりやすいです。
映り込みが歪んでいるか、自分では判断しづらいときは写真をお送りください。撮り方もお伝えします。
3つの確認でわかる、直し方の分かれ道
| 確認の結果 | 状態 | 直し方 |
|---|---|---|
| 水拭きで消えた | 相手の塗料・ゴムが付いただけ | 修理不要。拭き取りで終わり |
| 水拭きで消えず、爪がかからない/映り込みも歪まない | クリア層の浅い擦り傷だけ | 磨き(ポリッシング)で目立たなくできることが多い |
| 爪がかからないが、映り込みが歪む | 擦り傷+浅い凹み(最も多い) | デントリペアで凹みを戻し、必要なら磨きを合わせる |
| 爪が引っかかる | クリア層を越えた傷 | 磨きでは消えない。塗装が割れていれば板金塗装 |
1行目に当てはまれば、それでおしまいです。当店にご相談いただく必要もありません。2行目・3行目が、当店の出番になるところです。4行目は、塗装をしない修理では戻せない領域なので、板金塗装との違いをご覧いただいたうえで判断されるのがいいと思います。
自分でコンパウンドを使う前に、知っておいてほしいこと
カー用品店にもホームセンターにも傷消しコンパウンドは売っています。使ってはいけない、という話ではありません。ただ、やってみた方から後から相談をいただくことがあるので、実際に何が起きるかを書いておきます。
手で磨くのは、思っているより大変です。白い擦り傷を均すには、同じ場所を根気よく磨き続ける必要があります。腕が疲れて途中で力加減が変わると、磨いたところと磨いていないところで差が出て、ムラになります。傷は薄くなったのに、今度はムラが気になる、という状態になりがちです。
手磨きであれば、下地まで削ってしまうことはまずありません。手の力でクリア層を突き抜けるのは、現実的ではないからです。この点は安心していただいて構いません。
気をつけたいのは、電動の工具を使う場合です。ポリッシャーは回転で削っていくので、手磨きとは削れる量が変わります。扱いに慣れていないと削りすぎてしまい、下地が出てしまうことがあります。そうなると磨きでは戻せず、塗装が必要になります。市販のポリッシャーを初めて使うなら、ドアパンチの傷で練習しないほうがいいと思います。
もう一つ、忘れられがちなことがあります。磨けばコーティングやワックスも一緒に落ちます。磨いた場所だけ水のはじき方が変わるので、雨の日に「ここだけ水の流れ方が違う」という見え方になります。コーティングをかけているお車なら、磨いたあとに施工し直す前提で考えてください。
黒い車・濃色車で、白い傷がよく目立つ理由
「黒い車だから傷が目立つ」というのは、気のせいではありません。
白い擦り傷は、細かい傷で光が乱反射して白く見えている状態です。下地の色が濃いほど、白く散った光との明暗の差が大きくなるので、同じ深さの傷でもはっきり見えます。黒・濃紺・濃いグレーのお車で「小さい傷なのにやたら目立つ」と感じるのは、この差によるものです。
逆に言えば、濃色車は磨いたときの変化も分かりやすいということでもあります。白や銀のお車だと、磨いても「言われてみれば」くらいの変化ですが、濃色車は目に見えて落ち着くことが多いです。
1枚だけ磨くか、全体を磨くか
「ドア1枚だけ磨いてもらえますか」というご質問をいただきます。結論としては、1枚だけでも構いません。
ただし、仕上がりに差が出るかどうかはお車の塗装の状態によります。普段からきれいにされているお車なら、1枚磨いても隣のパネルとの差はほとんど気になりません。一方で、全体的に洗車傷が入っていたり、くすみが出ていたりするお車だと、磨いた1枚だけがはっきり艶を取り戻して、周りとの差が見えてしまうことがあります。その場合は、全体を磨いたほうが結果的に納得のいく仕上がりになります。
先ほど書いたコーティングの話も同じで、1枚だけ磨けばその1枚だけ撥水が変わります。どちらがいいかは現車を見ればお伝えできますので、判断はお任せいただければと思います。当店の磨きについてはカーコーティング・ポリッシングのページもご覧ください。
凹みを伴っていた場合|塗装を残したまま直せます
3つめの確認で映り込みが歪んでいた場合、そこには凹みがあります。塗装が割れていなければ、デントリペア(PDR)で塗装を残したまま直せることがほとんどです。
デントリペアは、パネルの裏側から専用の工具を入れて、塗装面に映る光の反射を見ながら金属を少しずつ元の形に戻していく修理です。パテも塗装も使いません。お車の工場出荷時の塗装がそのまま残るので、多くの場合は修復歴にもなりません。塗装を傷めないための配慮を最優先にして施工しています。
実際の仕上がりは、アルファロメオ ジュリエッタのドアパンチ凹み修理のビフォーアフターをご覧ください。ドアパンチの凹みそのものについてはドアパンチの凹み修理で詳しく書いています。
ただし、デントリペアも万能ではありません。塗装が割れているもの、極端に深いもの、裏側に手が入らないうえに構造上どうにもならない場所は、正直にお断りしています。どんな凹みで無理が出るのかも公開していますので、あわせてご覧ください。
修理代の考え方
当店のデントリペアは、凹みのサイズ別の基本料金です。いずれも税込・出張費込みです。
| 凹みのサイズ | 基本料金(税込・出張費込) |
|---|---|
| 〜1cm | 11,000円 |
| 〜2cm | 13,000円 |
| 〜3cm | 18,000円 |
| 〜5cm | 22,000円 |
| 〜7cm | 24,000円 |
7cmを超えるもの、難所、深い傷を伴う凹み、複数箇所は個別のお見積もりになり、基本料金より高くなることがあります。塗装が必要な状態であれば、板金塗装で1パネル約45,000円〜が目安です。詳しくはデントリペアの料金表と相場をご覧ください。
磨きの料金は、傷の深さと範囲、お車の状態で変わるため一律ではありません。凹み修理と同じ日にまとめていただくと、磨きだけで伺うより費用を抑えられます。写真をいただければ、おおよその料金幅をお伝えします。
ドアパンチの修理代を依頼先ごとに比べたい方は、ドアパンチの修理代はいくら?で、ディーラー・板金塗装店・PDR専門店の費用差と、車両保険を使うかどうかの考え方をまとめています。
相手が分かった場合・分からない場合
白い傷の直し方とは別に、相手方の話があります。
相手から申し出があった場合は、氏名・連絡先・車両ナンバーを控えたうえで、双方の任意保険会社に連絡してください。事故として扱うかどうかは保険会社の判断になります。当店は保険会社へ提出するお見積書の作成にも対応しています。
相手が分からない場合は、当て逃げとして警察に届け出るのが基本です。駐車場の管理者に防犯カメラの確認を依頼できることもあります。手順は駐車場で車をぶつけられた時の対処法にまとめました。
逆に、自分がぶつけてしまった側の場合はドアパンチをしてしまったらをご覧ください。届出・謝罪・弁償額の実際を書いています。
なお、白い傷や小さい凹みがドアの高さに集中しているのではなく、ボンネットやルーフにも点々とある場合は、ドアパンチではなく雹害の可能性があります。ドアパンチと雹害の見分け方もご確認ください。
当店にご相談いただく場合の流れ
白い傷はスマートフォンのカメラだと写りにくいので、撮り方だけ書いておきます。傷の真正面からではなく、少し斜めから。周りの景色が映り込む角度で1枚、傷に寄って1枚。この2枚があれば、擦り傷だけか、凹みを伴っているかがかなり分かります。
LINE・お電話・メールのいずれでも受け付けています。写真から直せるかどうかと、おおよその料金幅をお返事します。写真をいただいたうえでの現車確認は無料です。見たうえで「これは磨いても消えません」と判断した場合は、施工せずにそのままお伝えします。無理に何かをして料金をいただくことはしません。
よくある質問
Q. ドアパンチで擦った白い傷は消えますか?
爪を立てて滑らせたときに引っかからなければ、磨きで目立たなくできることが多いです。引っかかる場合は、傷がクリア層を越えているので磨いても消えません。まず濡れた布で拭いてみて、それで消えるなら相手の塗料が付いていただけです。
Q. ドアパンチで白い傷ができるのはなぜですか?
2つの原因があります。相手の車の塗装やドアエッジのゴムが移って白く見えている場合と、お車の塗装のクリア層に細かい傷が入って光が乱反射し、白く見えている場合です。どちらも見た目は似ていますが、直し方が違います。
Q. 市販のコンパウンドで自分で磨いても大丈夫ですか?
手で磨く分には、下地まで削ってしまうことはまずありません。ただ、同じ場所を根気よく磨く必要があり、力加減が変わるとムラになります。電動のポリッシャーは手磨きとは削れる量が変わるので、慣れていないと削りすぎて下地が出てしまうことがあります。また磨けばコーティングも落ちるので、そこだけ撥水が変わります。
Q. ドア1枚だけ磨いてもらえますか?
1枚だけでも承ります。ただし全体的に洗車傷やくすみが出ているお車だと、磨いた1枚だけ艶が戻って周りとの差が見えることがあります。その場合は全体を磨いたほうが納得のいく仕上がりになります。現車を見てお伝えします。
Q. 白い傷だけに見えますが、凹んでいることもありますか?
あります。ドアパンチでいちばん多いのは「白い擦り傷+浅い凹み」の組み合わせです。指でなぞって分からない浅さでも、斜めから光を映り込ませると、その部分だけ映り込みが波打ちます。白い傷を磨いて消しても凹みは残るので、先に確認してください。
Q. 凹みを直すのにいくらかかりますか?
当店のデントリペアはサイズ別の基本料金で、〜1cm 11,000円、〜2cm 13,000円、〜3cm 18,000円、〜5cm 22,000円、〜7cm 24,000円(いずれも税込・出張費込)です。7cm超・難所・深い傷を伴う凹み・複数箇所は個別のお見積もりで、基本料金より高くなることがあります。塗装が必要な状態であれば、板金塗装で1パネル約45,000円〜が目安です。
最後に
白い傷は、見つけた瞬間はショックが大きいわりに、拭いただけで消えることもあります。まずは水拭きと爪、そして映り込み。この3つを確認してから動いても遅くありません。
三重県桑名市のデントリペア専門店 SURREAL(代表 相良 吉昭)が対応します。三重・愛知・岐阜を中心に出張しており、片道50km圏内は出張費無料です。エリア外も対応できる場合がありますので、まずはご相談ください。対応エリアは出張対応エリアをご覧ください。
写真1枚で、直せるかどうかとおおよその料金幅をお返事します。

